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Web 検索と公式ページで調べた(2026-10-10)。実機で動かしたのは VOICEVOX と AivisSpeech だけ(結果は「試す順と残る点」)。数値は公式ページで読めたものと、二次情報・未確認を分けて書く。採用前に公式ページと実機で確かめる。
わかったこと
- 無料で試せて、API で使えるのは VOICEVOX と AivisSpeech。どちらも PC に入れると
127.0.0.1 に HTTP の API が立ち、文を送るたびにその場で音声を返す。商用でも使えるが、声ごとの規約に従い、VOICEVOX はクレジットの表記が要る
- 字幕の句の色に使う時刻は、VOICEVOX なら取れる(実機で確認)。合成の前に返る読みの情報に、音ごとの長さが入っている
- クラウドは無料枠があるが、多くはアカウントとカード登録が要る。Azure(毎月 50 万文字)・Google・Amazon Polly に無料枠。時刻は Azure・Polly・Google(目印を置く方式)・ElevenLabs で取れる。OpenAI は取れない
- 公開ページ(GitHub Pages)から、クラウドやローカルの API をその場で呼ぶのは向かない。クラウドは鍵を公開ページに置けず、ローカルの API は見る人の PC には無い。公開するなら、前もって作った音声を置く形になる
- 見る人のブラウザの中で、その場で作る方法もある。日本語で動くと確かめられたのは piper-plus だけで、初回に数十 MB の読み込みが要る
- この PC には、VOICEVOX・AivisSpeech・COEIROINK・ffmpeg のどれも入っていない(実測)
費用
| 名前 | 種類 | 費用 | 無料で試すときの条件 |
| VOICEVOX | PC | 無料 | 商用も可。クレジット(「VOICEVOX:〈声の名前〉」)が必須。声ごとの規約に従う |
| AivisSpeech | PC | 無料(公式での確認は未) | 声(モデル)ごとに規約がある。まお・コハクは ACML 1.0 で、クレジットは任意(案内は「AivisSpeech: 名前」) |
| COEIROINK | PC | 未確認 | クレジット(「COEIROINK:〈声の名前〉」)が必須。商用不可の声もある |
| Style-Bert-VITS2 | PC | 無料(AGPL-3.0) | モデルごとの規約を見る。ネット越しに提供するとソース公開の義務がかかる |
| piper-plus | ブラウザ | 無料(MIT) | モデルの重みのライセンスは未確認 |
| Web Speech API | ブラウザ | 無料 | いま使っている。声は見る人の端末しだい |
| Azure AI Speech | クラウド | 無料枠: Neural 50 万文字/月 | Azure のアカウントが要る。カード登録の要否は未確認 |
| Google Cloud TTS | クラウド | 無料枠あり(WaveNet 100 万文字/月など。表の数値は要再確認) | 課金アカウント(カード)が要る(二次情報) |
| Amazon Polly | クラウド | 無料枠: Standard 500 万文字/月、Neural 100 万文字/月(最初の 12 か月) | AWS のアカウントが要る |
| ElevenLabs | クラウド | 無料プラン: 10,000 クレジット/月 | 商用ライセンスは有料プラン(Starter)から |
| OpenAI TTS | クラウド | 有料(tts-1 は 100 万文字あたり $15) | 無料枠は見当たらない。AI 音声であることの明示が要る |
| VOICEPEAK | PC | 有料の買い切り(約 2.4 万円〜、二次情報) | — |
| A.I.VOICE | PC | 有料(標準は個人の非商用のみ) | — |
| AITalk WebAPI | クラウド | 月額 80,000 円〜 | 評価版の申込みあり |
| CoeFont | クラウド | API の料金は未確認(法人向け月 $350) | — |
紙芝居 1 作の台本は 1,000 文字ほど。クラウドの無料枠でも、作り直しを含めて十分に収まる量。
仕組みの型
「いつ、どこで音声を作るか」で 5 つに分かれる。
| 型 | 作る時と場所 | 使えるもの | 公開ページ(GitHub Pages) | 字幕の時刻 | 弱いところ |
| 1. 前もって作って置く | 作者の PC で、台本を直したとき | どれでも(PC・クラウドとも) | そのまま置ける | 作るときに控えて、一緒に置く | 台本を直すたびに作り直す。ファイルの大きさ |
| 2. 作者の PC の API でその場で作る | 見ている PC で、場面ごと | VOICEVOX・AivisSpeech・Style-Bert-VITS2 | 使えない(見る人の PC に API が無い) | その場で取れる | 手元の試作・下書き用。ブラウザから呼ぶには CORS の設定が要る |
| 3. クラウドの API でその場で作る | サービスで、場面ごと | Azure・Google・Polly・ElevenLabs 等 | 鍵を隠す中継のサーバーが要る(静的サイトだけでは無理) | サービスしだい | 費用が見る人の数に比例する。サーバーが要る |
| 4. 見る人のブラウザの中で作る | 見る人の端末で、その場 | piper-plus(WASM) | 置ける | 自前で取れるはず(未確認) | 初回に数十 MB を読み込む。端末の負荷。品質は未確認 |
| 5. ブラウザの声(いまの作り) | 見る人の端末で、その場 | Web Speech API | 置ける | 声によって来ない(ネットの声では来ないことが多い) | 声の有無・質・読みが端末しだい |
組み合わせられる: 2 で手元の下書きを聞きながら作り、決まったら 1 で書き出して公開する、という使い分けができる。VOICEVOX 系なら同じ API で両方まかなえる。
PC に入れて使うもの
| 名前 | API | その場で作れるか | 字幕の時刻 | 出力 | ブラウザから直接 |
| VOICEVOX | HTTP(既定 127.0.0.1:50021)。POST /audio_query で読みの情報を作り、POST /synthesis で音声にする。/docs に説明 | できる。GPU は任意。速さは未計測。エンジンだけを動かせる。Docker もある | 読みの情報に音ごとの長さ(子音・母音・間)が入っている(実機で確認。合計と WAV の長さの差は 0.005 秒) | WAV(24 kHz) | --cors_policy_mode・--allow_origin で許せば可 |
| AivisSpeech | VOICEVOX とおおむね同じ形の HTTP(既定 10101) | できる。初回はモデルの読み込み(約 900 MB)で数分かかる | 取れない(実機で確認。読みの情報の音ごとの長さが、すべて 0 で返る) | WAV(44.1 kHz) | VOICEVOX と同じ設定で可 |
| COEIROINK | ローカルの API がある(ポート・形は未確認) | 未確認 | 未確認 | 未確認 | 未確認 |
| Style-Bert-VITS2 | FastAPI のサーバー。Python のライブラリとしても使える | できる(CPU でも可)。1 回 100 文字まで(設定で変更可) | 未確認 | 未確認 | 既定で全許可 |
| VOICEPEAK | 公式の HTTP API は見当たらない。コマンドで書き出す例はある | コマンドを都度起動 | 未確認 | WAV・FLAC | 不可の見込み |
| A.I.VOICE | .NET の API のみ(エディターの起動が要る) | 同じ PC の中だけ | 無し(文書上) | 未確認 | 不可 |
クラウドのサービス
| 名前 | 日本語の声 | 字幕の時刻 | 読みの指定 | 公開ページから呼ぶとき |
| Azure AI Speech | 12 種(Nanami・Keita ほか) | SDK の単語の境界の知らせ(単語・文の位置と時刻)。日本語で出るかは未確認 | SSML(読み・置き換え・辞書) | サーバーで 10 分有効のトークンを発行して渡す形が取れる |
| Google Cloud TTS | 41 種(Standard・WaveNet・Neural2・Chirp 3 HD) | SSML の目印(<mark>)を句の境目に置くと、その時刻が返る | SSML(よみがな・置き換え) | 鍵を置けない。中継が要る |
| Amazon Polly | 4 名(Mizuki・Takumi・Kazuha・Tomoko) | Speech Marks(単語・文の時刻)。音声とは別に呼ぶ。位置はバイト数 | SSML | 未確認 |
| ElevenLabs | 日本語対応のモデルあり。声の数は未確認 | 文字ごとの開始・終了の時刻が返る(いちばん直接的) | 未確認 | 鍵を置けない。中継が要る |
| OpenAI TTS | 汎用の声(日本語専用なし) | 無し | SSML なし(文章で指示) | 鍵を置けない。中継が要る |
ブラウザの中で作るもの
- piper-plus: 日本語に対応(OpenJTalk 系の辞書で読みを作る)。モデル約 38 MB(6 言語版)、読みを作る部品が gzip で約 19 MB。2 回目からはキャッシュで速い。ブラウザで動くデモがある。品質とブラウザでの日本語の速さは未確認
- Kokoro: 日本語の声が 5 つあるが、評価は低め。ブラウザ版で日本語が動くかは未確認
- sherpa-onnx: 日本語のモデルはあるが、ブラウザ版の日本語は未確認
- Web Speech API(いまの作り): 句の位置の知らせ(boundary)は、ネットの声では来ないことが多い。iPhone では日本語の声が一覧に出ない報告がある(未確認)。ネットの声は文を外のサービスへ送る
試す順と残る点
無料で試す順(案)
- VOICEVOX を入れ、API で 1 場面の文を作って聞く。
/audio_query の JSON で、句の時刻が取れるかを見る(型 1・2 の両方を確かめられる)
- AivisSpeech で同じ文を作り、声と抑揚を聞き比べる
- piper-plus のデモをブラウザで開き、日本語の質と読み込みの重さを見る(型 4)
- クラウドは、無料の 3 つで足りないときに、カード登録の要否を確かめてから試す
VOICEVOX を動かした結果(2026-10-11)
- Windows の zip 版(DirectML、0.25.2)を展開し、同梱のエンジン(
vv-engine/run.exe)だけを起動した。/version は 0.25.2 を返した
- ✅ 「むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがすんでいました。」を、声 ID 3 で WAV(24 kHz)にできた
- ✅
/audio_query の JSON には、モーラごとの子音・母音の長さと、句の後の間が入っている。合計すると 5.424 秒になり、できた WAV は 5.429 秒だった。合成の前に文の長さと、句ごとの時刻が取れる
- 速さ: 読みの情報 1.7 秒、合成 2.2 秒(初回の 1 文。2 回目以降と長い文は未計測)
AivisSpeech を動かした結果(2026-10-11)
- Windows の zip 版(
1.1.0-dev)を展開し、同梱のエンジン(AivisSpeech-Engine/run.exe)だけを起動した。ポート 10101 で /version が 1.1.0-dev を返した。dev 版なので、安定版では結果が変わるかもしれない
- ✅
/speakers に、まお(ノーマル・ふつー・あまあま・おちつき・からかい・せつなめ の 6 スタイル)とコハク(ノーマル・あまあま・せつなめ・ねむたい の 4 スタイル)が入っている。VOICEVOX と同じ形の JSON で返り、声 ID は 888753760 のような大きな数
- ✅ VOICEVOX と同じ 1 文を、まお(ノーマル)・コハク(ノーマル)で WAV(44.1 kHz)にできた。
/audio_query → /synthesis の呼び方は VOICEVOX と同じ
- ❌
/audio_query が返すモーラごとの子音・母音の長さと高さは、すべて 0。VOICEVOX のように、合成の前に句ごとの時刻を取る手は使えない。長さは合成して WAV を作るまで分からない
- ⚠️ 同じ声で同じ文を 2 回作ると、長さが変わる(まお 5.320 秒と 5.217 秒、コハク 5.508 秒と 5.485 秒)。VOICEVOX は同じ文なら同じ長さになる見込み(2 回目は未計測)
- 速さ: 1 回目は 7.6〜7.8 秒(モデルの読み込みを含む)、2 回目は 2.3〜2.7 秒。読みの情報は 50 ms 以下
- WAV の大きさ: 1 文(約 5.3 秒)で約 450 KB。VOICEVOX(24 kHz)は同じ長さで約 260 KB の見込み。声を増やす・全編を置くと、AivisSpeech のほうが重い
README.txt に書いてあるのは、AivisSpeech 本体の LGPL-3.0 のライセンスだけ。声(まお・コハク)ごとの利用規約とクレジットの書き方は書かれていない。AivisHub の各モデルのページで確かめた(2026-10-11): ライセンスは ACML 1.0、クレジットの案内は「AivisSpeech: まお」「AivisSpeech: コハク」。ACML 1.0 の本文では、クレジットは任意、禁止事項(なりすまし・誹謗中傷・政治宗教の宣伝など)に当たらなければ商用・公開も可で、モデルを配布するときだけライセンス文書の添付が要る。生成した音声の公開には条件が無い
全 15 場面を 4 声で作った結果(2026-10-11)
桃太郎の台本の全場面(read があればそれ)を、場面ごとに 1 つの WAV にした。紙芝居の読み上げは文ごとなので、組み込みでは文ごとに作る(次の確認は文ごと)。
| 声 | WAV の形式 | 全 15 場面の長さ | WAV の大きさ(合計) | 合成にかかった時間(合計) |
| VOICEVOX ずんだもん | 24 kHz | 125 秒 | 5.7 MB | 43 秒 |
| VOICEVOX 四国めたん | 24 kHz | 109 秒 | 5.0 MB | 37 秒 |
| AivisSpeech まお | 44.1 kHz | 124 秒 | 10.4 MB | 55 秒 |
| AivisSpeech コハク | 44.1 kHz | 130 秒 | 10.9 MB | 56 秒 |
- ✅ 4 声とも、全場面が作れた。1 場面は 2〜4 秒で作れる。台本を直したときの作り直しは、全体でも 1 分ほど
- ⚠️ 4 声を置くと、WAV だけで約 32 MB。1 声だけを読み込むなら 5〜11 MB。mp3 にすればおよそ 1 割になる見込み(ffmpeg が無く、未計測)
- ✅ VOICEVOX は、読みの情報から句の終わりの時刻を作れる。場面 1・4 で、WAV の無音の終わりと 0.01〜0.06 秒の差で合った
- ⚠️ WAV の無音(0.15 秒以上)から句の区切りを取る方法は、そのままでは当てにならない。台本の全 27 文を、文ごとに作って調べた。無音の数が字幕の句の数と合ったのは、ずんだもん 21 文・四国めたん 26 文・まお 26 文・コハク 24 文。合わない文は、句の途中の自然な間を拾って多すぎる(「二人はこの子を「桃太郎」と名づけました」など)か、「どんぶらこ、どんぶらこ」の読点の間が短くて少なすぎる。閾値を変えても全部は合わない
- ✅ 句ごとに別々に合成してつなぐと、境目の時刻が確実に分かる。まお・コハクの 2 文(句 4 個・3 個)で、つなぎ目の時刻が出た。聞いた印象(抑揚が句の境目で途切れないか)は未確認
まだ確かめていないこと
- 句ごとに合成してつないだ音声を聞いて、自然さが許せるか(
tmp/voice-phrasewise/ にまお・コハクの 2 文がある)
- ずんだもん・四国めたんの公式の規約(公開ページでの利用・クレジットの書き方。いまは第三者の要約で確認)
- クラウドの料金表の正確な数値、カード登録の要否、生成した音声を公開してよいかの条文
- wav をそのまま置いたときの大きさと、mp3 にする道具(ffmpeg)を入れるかどうか